去年のクリスマスは受験生という理由で、外出すら許されなくて家族だけで過ごした。
それでも翔太先輩は家の前まで来てくれて……部屋の窓から彼の顔を見れたから、あたしはそれだけで満足したけど、翔太先輩は不満だったろうな。
そして高校生になった今年から門限は8時になったので、多少の夜遊びは可能になった。
夢だったイルミネーションを見ることだって、出来るから気持ちが高まっている。
翔太先輩との待ち合わせ場所に着くと、先輩の方が待ちきれなかったらしく先に来ていた。
クリスマスぐらいは門限なしにして貰いたくて、親に必死にお願いしたら門限を無しにしてくれた。
今日は翔太先輩とゆっくりデート出来る。それだけで嬉しくなった。
今日はあたしの全てを翔太に捧げたいと思っている。門限が無いなんて、次はいつになるか分らないから、今日のチャンスを逃す訳にはいかない。
別に箱入り娘って感じに育てられた訳じゃないが、最近は物騒な事件が多いため心配性な両親が門限を早めにしているだけで決して厳しい両親って訳ではない。
あたしは最近やっと、翔太先輩ではなく翔太って呼べるようになった。
太陽が沈んでからのデートなんて、初めてだからワクワクしている。自分の全てを捧げるって決めてから、何となく気持ちがソワソワして落ち着きが無くなっている。
翔太とディナーを済ませた後で、向かったのはイルミネーションで輝いている噴水のある公園。
クリスマスにこの場所でキスしたカップルは永遠に結ばれるって言い伝えがあるので、この場所を選んだ。
「好きだよ、翔太」
「俺も澄香が、好きだ」
そう言った途端、翔太の唇があたしの唇に触れた。そして、翔太はあたしの口の中に舌を絡めてきた。
「……うっん、はぁん」
翔太のキスはさらに情熱的になり、あたしも翔太の口の中に舌を入れてきた。こんなに激しいキスをしたのは初めてだった。
それからあたし達はラブホテルに行って初めて体を重ね合わせた。私の身体中にキスマークがついたのは、言うまでもない。
翔太に愛されてることを改めて実感した私は、やがて深い眠りについてしまうのだった。
【END】