だけど翔太先輩の抑える力が強くて、身動きが取れない。あたしはそっと目を閉じた。
翔太先輩の唇があたしの唇と重なった瞬間、彼の優しさを感じた。ファーストキスは凄くドキドキした。
門限も迫ってきたから今日のデートは終了。翔太先輩に家まで送ってもらった。
「澄香、今日はありがとうな。楽しかった♪」
「あたしも楽しかったです。受験頑張って下さい」
「この前は大谷高校志望って言ったけど、俺の本当の志望校【青華高校】なんだ」
えっ!? 青華高校?私の志望校と一緒だ。
「この前はどうして嘘を付いたんですか?」
「ゴメン。お前が恥ずかしがってなかなかキスさせてくれないからさ、友達が男子校に行くって言えば……彼女も焦るかもしれないから嘘をついてしまったんだ。本当にゴメン」
「翔太先輩って意外と意地悪な所があるんですね。でも男子校じゃなくて安心しました。翔太先輩と同じ高校に行けるんですね。でも夜のデートはあと2年待って下さいね」
「2年は長いけど、楽しみに待ってるよ」
玄関前でもう一度軽く触れ合うだけのキスをした。この時……あたしは翔太先輩の確かな温もりを感じた。