私は翔太先輩と背中合わせになり口を開いた。
「私……翔太先輩のこと大好きです。だから……もう少しだけ待って下さい」
「うん、いいよ」
そう言って翔太先輩は私の頭をクシャクシャと撫でてきた。実は翔太先輩の、この行為が私は大好き。
だから……思い切って聞いて見ることにした。
「翔太先輩は、何処の高校へ行くんですか?」
「大谷高校が第一志望だよ」
大谷高校って──男子校だよね。それじゃあ……私は翔太先輩と同じ高校へは行けないのか。そう思うと翔太先輩と一緒に帰っているのに寂しさを感じた。
雪はすぐに止んだけど……私の心の中には降り続けた。どうして……一年遅く生まれたんだろう?
翔太先輩があと1年遅く生まれるか……私が1年早く生まれていれば、こんなに切ない気持ちにはならなかったのに……。
二人で志望校の話とかも出来るのに……私は家に着くと自分の部屋へ走りベッドの中で泣いた。
翔太先輩と一緒に過ごせる時間はあと少し。学年が違うから、学校でもずっと一緒にいるのは……無理なのに。
私はずっと翔太先輩を傷つけていたの?自分の恥ずかしいという感情を、翔太先輩に押し付けていたことに今頃になって気付いた。