翔太先輩の顔が近付いてくると、私は恥ずかしくて思わず反らした。
「なぁ、いつになったらキスさせてくれんの?」
「もう少しだけ……待って。なんか恥ずかしくて」
「ぶっちゃけ俺、限界なんだけど……」
男の人はそうだよね……でも女の子は恥ずかしいんだよ。それは私だけかもしれないけど。
翔太先輩から反らした体を窓の方に向けると、さっきまでの夕焼けが一転して雪が降っていた。
もうすぐクリスマス……クリスマスの日は、翔太先輩のキスを受け入れようと思っている。
翔太先輩は、私の肩に手を置いて……笑顔で口を開いた。
「帰るか」
「はい……翔太先輩、ごめんなさい」
「そりゃあ少しは傷つくけど、俺は澄香が嫌がることはしたくないから……その気になるまで気長に待つよ」
翔太先輩は優しいな……本当は受験生で勉強とか大変なのに、私との時間を作ってくれる。
それなのに、私は『恥ずかしい』を理由にキスを拒んでばかりいる。翔太先輩は、何処の高校へ行くんだろう。
私も翔太先輩と同じ高校へ行きたいと思ってる。