結局、あかりたちはそれから美久になにかしてくるということはなかった。
 停学が明けたあとに「悪かったわよ」なんて、ちっとも悪いなんて思っていなくて、先生に言わされているという態度全開であったけれど、一応謝ってくれた。
 美久とてあんな目にあわされて「いいよ」なんて言いたくはなかったけれど、そういうわけにもいかない。
 それにあかりにもそういうことをしたくなってしまう気持ちがあるのはわかるから。していいことにはならないけれど。
 だから「うん」と言っておいた。
 それ以上は言わなかった。「もうやめてね」とかは。
 言っても意味はないからだ。言わなくてもあかりたちはもうあんなことはしないだろう。
 停学だけでも成績や内申書に響くというのに、次になにかあったら停学処分では済まないはず。この学校に居続けたいのであれば、そんなことをするはずもない。
 それならわざわざ言うのはヤブヘビになる。煽るようになってしまうだろうから。
 だから、これでおしまい。
 快のほうも解決したようだ。美久に「あかりに謝られた」と言ってくれたのだから。
 そして「あんなこと、もうしないって言ってたから」とも言ってくれた。それで美久もより、ほっとすることができたのだった。