十二月はそのままあっというまに過ぎてしまう気がした。部活では絵に集中して、プライベートの時間は蘇芳先輩と恋人同士として過ごせて。
けれどそんなはずがあるわけがない。あっというまに過ぎては困るのだ。
冬季賞の絵だって納得できる出来になるまで作りこみたいし、それにもうひとつ。
……蘇芳先輩との、お付き合い。
気になることがあった。
それは当たり前のようにクリスマス。あと二週間ほど。
きっとデートをしてくれるのだろう。優しい彼氏、……今や『彼氏』なのである。実感したりするのはまだ恥ずかしいけれど、とても胸が熱くなることだった。
それはともかく優しい彼氏・蘇芳先輩がクリスマスになにもないなんてことはありえないだろう。浅葱はそう思っていた。
でもクリスマスは冬季賞の締め切り直前なのだ。デートなどはできるかどうか。
別にデートがあとになっても構わない。冬季賞だって大事なことだし、自分だって直前の仕上げをしたい気持ちは強い。どちらが余計に大事ということはない。
だからどちらでも良かったのだけど……。
それより前に、ある『大事なこと』が起こったのだった。
けれどそんなはずがあるわけがない。あっというまに過ぎては困るのだ。
冬季賞の絵だって納得できる出来になるまで作りこみたいし、それにもうひとつ。
……蘇芳先輩との、お付き合い。
気になることがあった。
それは当たり前のようにクリスマス。あと二週間ほど。
きっとデートをしてくれるのだろう。優しい彼氏、……今や『彼氏』なのである。実感したりするのはまだ恥ずかしいけれど、とても胸が熱くなることだった。
それはともかく優しい彼氏・蘇芳先輩がクリスマスになにもないなんてことはありえないだろう。浅葱はそう思っていた。
でもクリスマスは冬季賞の締め切り直前なのだ。デートなどはできるかどうか。
別にデートがあとになっても構わない。冬季賞だって大事なことだし、自分だって直前の仕上げをしたい気持ちは強い。どちらが余計に大事ということはない。
だからどちらでも良かったのだけど……。
それより前に、ある『大事なこと』が起こったのだった。