浅葱の心からの言葉。先輩はちょっと目を丸くした。意外だという顔になる。
けれどすぐにその顔は崩れた。ほろっと優し気な顔になる。目元が緩んだ。
「そうか。そりゃ光栄だ」
あたたかな空気が流れていた。まだ秋のはじめ、店内に暖房などは入っていないのにぽかぽかする。
こんなあたたかい気持ちだから素直に言えたのかもしれない。浅葱は思った。
「じゃ、帰ろう」
がた、と椅子を鳴らして蘇芳先輩は立ち上がった。浅葱も「そうですね」と同じように立ち上がる。
空になったフラペチーノのカップを持った。手を伸ばして先輩のカップも手に取る。蘇芳先輩がちょっと驚いたような顔をした。
「ああ、いいよ、自分で……」
「いえ、ごちそうしてもらっちゃいましたし……このくらいさせてください」
にこっと笑って回収して、トレイや食器を下げる場所へ向かった。先輩が「悪いな。ありがと」と言ってくれるのが聞こえる。
緊張はすっかり……ではないけれどかなりほどけてきていた。
こういう気持ちで一緒に過ごせてよかった、と思う。どきどきする気持ちだって嫌なものではないけれど、こういう気持ちになれればもっと嬉しい。
けれどすぐにその顔は崩れた。ほろっと優し気な顔になる。目元が緩んだ。
「そうか。そりゃ光栄だ」
あたたかな空気が流れていた。まだ秋のはじめ、店内に暖房などは入っていないのにぽかぽかする。
こんなあたたかい気持ちだから素直に言えたのかもしれない。浅葱は思った。
「じゃ、帰ろう」
がた、と椅子を鳴らして蘇芳先輩は立ち上がった。浅葱も「そうですね」と同じように立ち上がる。
空になったフラペチーノのカップを持った。手を伸ばして先輩のカップも手に取る。蘇芳先輩がちょっと驚いたような顔をした。
「ああ、いいよ、自分で……」
「いえ、ごちそうしてもらっちゃいましたし……このくらいさせてください」
にこっと笑って回収して、トレイや食器を下げる場所へ向かった。先輩が「悪いな。ありがと」と言ってくれるのが聞こえる。
緊張はすっかり……ではないけれどかなりほどけてきていた。
こういう気持ちで一緒に過ごせてよかった、と思う。どきどきする気持ちだって嫌なものではないけれど、こういう気持ちになれればもっと嬉しい。