朝集会の表彰はちょうど一週間後だった。全校生徒が集まる講堂。前に出て校長先生から賞状を受け取った。
アナウンスが上の賞から順番に紹介してくれた。
『準大賞、蘇芳壱樹さん』と流れたときには講堂全体がざわめいた。美術部員はあのとき全員美術室にいたから知っていて当然だけれど、ほかにはきっと賞を取ったひとの友達など、近しいひとしか知らなかっただろう。
だから壱樹先輩が賞を取った、それも準大賞など立派過ぎる賞を取ったことは、初めて知るひとのほうが多かったはず。
モテモテで人気のある壱樹先輩だ。また女子に憧れられる要素が増えてしまうだろう。
そう思うとちょっと妬いてしまう気持ちもあるやら、でも「この素晴らしいひとが私の彼氏なんだ」と実感すると誇らしいやら。あまり性格の良いことではないけれど、口に出さなければ許される……と思いたい。
壱樹先輩は事前の受賞者打ち合わせ通り、校長先生の前に出て賞状を受け取った。
堂々としていて余計にカッコ良かった。
そのいくつかあとに浅葱も名前を呼ばれて、同じように賞状をもらった。
壱樹先輩と同じコンテストで賞を取れたこと。
それで表彰されること。
両方が誇らしくてならなかった。
もらった賞状は家でお父さんやお母さんに見せた。
中学校のときも小さな賞をもらったことはあったけれど、高校生になってからは初めて、おまけにこんなにいい賞は初めてだったので、家でも勿論お祝いをしてもらった。
お父さんなどは立派な賞状を「額に入れて飾ろう」と言ってくれて、浅葱は「大げさだよ……」と照れつつも確かに嬉しかったのだ。
アナウンスが上の賞から順番に紹介してくれた。
『準大賞、蘇芳壱樹さん』と流れたときには講堂全体がざわめいた。美術部員はあのとき全員美術室にいたから知っていて当然だけれど、ほかにはきっと賞を取ったひとの友達など、近しいひとしか知らなかっただろう。
だから壱樹先輩が賞を取った、それも準大賞など立派過ぎる賞を取ったことは、初めて知るひとのほうが多かったはず。
モテモテで人気のある壱樹先輩だ。また女子に憧れられる要素が増えてしまうだろう。
そう思うとちょっと妬いてしまう気持ちもあるやら、でも「この素晴らしいひとが私の彼氏なんだ」と実感すると誇らしいやら。あまり性格の良いことではないけれど、口に出さなければ許される……と思いたい。
壱樹先輩は事前の受賞者打ち合わせ通り、校長先生の前に出て賞状を受け取った。
堂々としていて余計にカッコ良かった。
そのいくつかあとに浅葱も名前を呼ばれて、同じように賞状をもらった。
壱樹先輩と同じコンテストで賞を取れたこと。
それで表彰されること。
両方が誇らしくてならなかった。
もらった賞状は家でお父さんやお母さんに見せた。
中学校のときも小さな賞をもらったことはあったけれど、高校生になってからは初めて、おまけにこんなにいい賞は初めてだったので、家でも勿論お祝いをしてもらった。
お父さんなどは立派な賞状を「額に入れて飾ろう」と言ってくれて、浅葱は「大げさだよ……」と照れつつも確かに嬉しかったのだ。