それから次々名前が呼ばれていった。
 ほとんどが三年生。二年生もちらほら。
 佳作、とか、優秀賞、とか。
 数人ではあったけれどやはり大きなコンテスト。水野先生が『重色高校として誇らしい』と言った通りの結果だった。
 でも浅葱の名前は呼ばれなかった。
 まさかダメだったのだろうか。一番下の賞すら取れなかったのだろうか。
 今度は嫌な意味でどきどきしてきた。心臓が冷たくなりそうだ。
 壱樹先輩がとても立派な賞を取ったのに、自分はなにもなしなんて。そんなの恥ずかしすぎる。情けなさ過ぎる。
 純粋に結果が出なければ落ち込んでしまうし。
 しかし浅葱の心配は水野先生の最後の発表で軽々と吹っ飛んだ。
「審査員特別賞。六谷さん」