一月末。いよいよ秋季賞の結果発表がある日となった。
 部活のときに水野先生から伝えられるらしい。きっと学校経由で来ただろうから壱樹先輩も知らない、と思う。
 壱樹先輩ら、三年生にとっては高校生として最後のコンテスト。みんないい結果が欲しいに決まっている。
 浅葱だってそうだ。一年生ではあるけれど、だからといって全く諦めてしまう気はない。
 それは賞の絵を描いていたときからずっと思っていた。なにかしらの賞を取る気で、そういう気合で描く、と。
 一番下の賞でもいい。
 評価されたい。
 美術を、絵画を頑張る身としては当たり前だと思う。
 壱樹先輩のことも、自分のことも。浅葱はふたつの意味で緊張していたけれど確かに楽しみでもあった。