一階のクレーンゲームコーナーで、蘇芳先輩は浅葱にぬいぐるみを取ってくれた。
それは片手の大きさほどのうさぎのぬいぐるみだった。ふわふわとした素材でできていて、手触りがとてもいい。首元にはリボンが結んであった。
「わぁ、取れました!」
百円玉、三枚ほどでうさぎはクレーンに掴まれてそのまま落ちてきた。取れたとき、浅葱はつい声をあげてはしゃいでしまったものだ。
「運が良かっただけだよ」
取り出し口に落ちたうさぎを取り上げて「ほら、プレゼントだ」と渡してくれた蘇芳先輩。ちょっとはにかんだように笑った。
「いえ、すごいです! ……ありがとうございます!」
いいんですか、と言おうとしてやめておいた。
あまり遠慮するのも、彼女としてどうかと思ってしまったのだ。それより素直に喜んだほうがいいかもしれない。
そしてそれは多分間違っていなかった。
蘇芳先輩は照れたように頭に手をやって「かわいがってくれると嬉しいよ」と言ってくれた。
浅葱はうさぎの顔をじっと見つめた。くりっとした目がかわいらしい。
大事にしよう、と思った。彼氏になってくれたひとからもらった子だ。ベッドにでも置いておいたら、蘇芳先輩の夢が見られるかも。
思ってしまって恥ずかしくなったけれど、それはふわっと心があたたかくなるような感覚だった。
それは片手の大きさほどのうさぎのぬいぐるみだった。ふわふわとした素材でできていて、手触りがとてもいい。首元にはリボンが結んであった。
「わぁ、取れました!」
百円玉、三枚ほどでうさぎはクレーンに掴まれてそのまま落ちてきた。取れたとき、浅葱はつい声をあげてはしゃいでしまったものだ。
「運が良かっただけだよ」
取り出し口に落ちたうさぎを取り上げて「ほら、プレゼントだ」と渡してくれた蘇芳先輩。ちょっとはにかんだように笑った。
「いえ、すごいです! ……ありがとうございます!」
いいんですか、と言おうとしてやめておいた。
あまり遠慮するのも、彼女としてどうかと思ってしまったのだ。それより素直に喜んだほうがいいかもしれない。
そしてそれは多分間違っていなかった。
蘇芳先輩は照れたように頭に手をやって「かわいがってくれると嬉しいよ」と言ってくれた。
浅葱はうさぎの顔をじっと見つめた。くりっとした目がかわいらしい。
大事にしよう、と思った。彼氏になってくれたひとからもらった子だ。ベッドにでも置いておいたら、蘇芳先輩の夢が見られるかも。
思ってしまって恥ずかしくなったけれど、それはふわっと心があたたかくなるような感覚だった。