寒い。
時間の感覚が、狂う?そんな夜を感じるのは、この夜が『寝ずの番』だからなのか?
シオン達が レンの淹れ直したコーヒーに、手を付ける刹那、
灯っていたオレンジの光が、ゆっくりと 光量を陰らせ、また灯り始めるを、した。
「え、何!あ、あつっ!」
一瞬、暗くなりかけた 驚きで、シオンは、カップを握る手を 狼狽えさせて、 上下した。
なので、淹れたての カップの中身が、勢いよく 手に掛かる。
「あつーぅ、やった」
シオンが 慌てて、カップを置くかいなかで、レンが
「すぐ、冷やす。」
と、ミニキッチンの流しに、シオンを 生むも言わせず 連れていく。
と、後ろから囲むように シオンの手を取り、繋いだまま 蛇口の流水に浸した。
なんだ、この早業。
「ちっ!マジ、ドンクサイまんまだな。薬あるから、すぐ 手ぇ かせ!!」
そう 忌々しそうにしながらも、ルイは すぐに、 和室の鞄を あさりに行きながら、ブツブツ言っている。
「ブレーカーが悪くなってんのか、…最悪あれだな。やっかいだろ、、」
もう、流水で手は冷えたから、大丈夫だと、シオンが レンを振り見上げた時、そこには、漆黒しかなかった。
「わ!」
思わずシオンは 声をあげ、続いて、レンが照明を仰ぎ見るのが、背中でわかる。
「ブレーカー、落ちたのか?」
レンの声が 思う以上近く、シオンのツムジ上から聞こる。
レンが手探りで蛇口を閉めたのか、シオンの手に水の感触は消えた。
闇を改めて 認識したシオンは、
すっと怖くなる。
場所が場所なだけに、空の闇に 何かが立っていやしないかと思ったのだ。
「うー 、怖い」
あえて 声にして、自分を落ち着けようとする。
すると 闇の中なのに、大きな手が、シオンの両面を覆うのが 分かった。それは レンの手だ。
「?!」
意味が分からない、シオンに、
「目、凝らして暗いと、怖いだろ? 手で創る、暗さは、少しはマシだから。」
そう レンが、さっきよりも ずっと 頭に響くように 話す。
言われて シオンは、レンの手の中で目を凝らしてみる。
「…ほんと、怖くない。なんでか、暗いのに、レンの手の中、『天目茶碗』みたいだし。」
暗さでも、シオンは、安心した。
「おい!」
ふいに ルイの声がして、小さな光が、レンの手の間からこぼれる。
ルイが、電話の明かりを着けたのだろう。手に薬のチューブがある。
「足。」
レンは ルイに 短く、それだけ言って、シオンの手をタオルで拭いたら、自分の 電話の明かりを着けた。
「ブレーカーならいーが、こりゃ雪だ。雪で、どっか電線イカれたんじゃねーかな。今日ここら、雪、多いしな。」
ルイは、レンが シオンから動いたのを見ると、事務所に ブレーカーを見に行くのだろう。ドアを開けに歩く。
薬を冷やした手に、シオンは 塗る。
一旦 ダルマストーブを消したレンは、取っ手を持ち上げて、こんどは 和室に運び始めた。
「ルイが、言うから、きっと停電だ。なら、暖房がダメになる。」
シオンも、自分の電話の明かりを着けながら、
「すぐ、直らないかも?」
と聞いた。
雪の寒さと、停電の暗さに、急に 不安がやって来る。
ポットのお湯を キッチンのアルミ鍋に入れて、ダルマストーブに置く。
棺の前にある蝋燭は、電池なので、とりあえず 安心だ。
レンは、手際よく、もう一度ダルマストーブの火を着けた。
事務所のドアから、電話を片手に 戻ったルイは、和室の襖を タンっ、タンっ、と全部閉めていく。
「やっぱ、停電だな。ダチに、電話したら、ここらの奴等んとこも、電気つかねぇだとよ。」
それを聞いて、シオンは、
「ねぇ、暖房付かないなら、ヤバくない?荷物の洋服、全部着ようかなっ」
と、縮み上がる。
が、その言葉は、ポサッと、投げられた
式場の毛布で癒された。
「シオン。毛布も、蒲団もあるから、しっかり くるまって。」
そうレンは、ルイにも毛布を渡した。
きっちり、クリーニングされた式場の布団に、シオンは少し安堵する。
「なんだか、とんだ『寝ずの番』だよー。」
三角座りで、ダルマストーブにシオンは、にじり寄りながら、思わず ため息が出てしまった。
「俺は、一人じゃなくて、よかったよ。下手したら、今頃、ここに一人だ。」
レンとルイは、両側に シオンを 挟むように、毛布にくるまって、座った。
「『寝すの番』ってか、こんな暗闇じゃ『冬の夜話』だろ!」
「わ、やめて。今度は あたしが怖い。」
ルイを、シオンは 睨む。
「なら、なんか 話せよ。続きでも 話してりゃ、すぐ朝んなるだろ。」
そう言って ルイは、自分の毛布をしっかりかけ直した。
明かりが
ダルマストーブだけになると、
雪の夜が更けているのが、
いやでも感じれて、
シオンも 毛布をしっかり巻いた。
時間の感覚が、狂う?そんな夜を感じるのは、この夜が『寝ずの番』だからなのか?
シオン達が レンの淹れ直したコーヒーに、手を付ける刹那、
灯っていたオレンジの光が、ゆっくりと 光量を陰らせ、また灯り始めるを、した。
「え、何!あ、あつっ!」
一瞬、暗くなりかけた 驚きで、シオンは、カップを握る手を 狼狽えさせて、 上下した。
なので、淹れたての カップの中身が、勢いよく 手に掛かる。
「あつーぅ、やった」
シオンが 慌てて、カップを置くかいなかで、レンが
「すぐ、冷やす。」
と、ミニキッチンの流しに、シオンを 生むも言わせず 連れていく。
と、後ろから囲むように シオンの手を取り、繋いだまま 蛇口の流水に浸した。
なんだ、この早業。
「ちっ!マジ、ドンクサイまんまだな。薬あるから、すぐ 手ぇ かせ!!」
そう 忌々しそうにしながらも、ルイは すぐに、 和室の鞄を あさりに行きながら、ブツブツ言っている。
「ブレーカーが悪くなってんのか、…最悪あれだな。やっかいだろ、、」
もう、流水で手は冷えたから、大丈夫だと、シオンが レンを振り見上げた時、そこには、漆黒しかなかった。
「わ!」
思わずシオンは 声をあげ、続いて、レンが照明を仰ぎ見るのが、背中でわかる。
「ブレーカー、落ちたのか?」
レンの声が 思う以上近く、シオンのツムジ上から聞こる。
レンが手探りで蛇口を閉めたのか、シオンの手に水の感触は消えた。
闇を改めて 認識したシオンは、
すっと怖くなる。
場所が場所なだけに、空の闇に 何かが立っていやしないかと思ったのだ。
「うー 、怖い」
あえて 声にして、自分を落ち着けようとする。
すると 闇の中なのに、大きな手が、シオンの両面を覆うのが 分かった。それは レンの手だ。
「?!」
意味が分からない、シオンに、
「目、凝らして暗いと、怖いだろ? 手で創る、暗さは、少しはマシだから。」
そう レンが、さっきよりも ずっと 頭に響くように 話す。
言われて シオンは、レンの手の中で目を凝らしてみる。
「…ほんと、怖くない。なんでか、暗いのに、レンの手の中、『天目茶碗』みたいだし。」
暗さでも、シオンは、安心した。
「おい!」
ふいに ルイの声がして、小さな光が、レンの手の間からこぼれる。
ルイが、電話の明かりを着けたのだろう。手に薬のチューブがある。
「足。」
レンは ルイに 短く、それだけ言って、シオンの手をタオルで拭いたら、自分の 電話の明かりを着けた。
「ブレーカーならいーが、こりゃ雪だ。雪で、どっか電線イカれたんじゃねーかな。今日ここら、雪、多いしな。」
ルイは、レンが シオンから動いたのを見ると、事務所に ブレーカーを見に行くのだろう。ドアを開けに歩く。
薬を冷やした手に、シオンは 塗る。
一旦 ダルマストーブを消したレンは、取っ手を持ち上げて、こんどは 和室に運び始めた。
「ルイが、言うから、きっと停電だ。なら、暖房がダメになる。」
シオンも、自分の電話の明かりを着けながら、
「すぐ、直らないかも?」
と聞いた。
雪の寒さと、停電の暗さに、急に 不安がやって来る。
ポットのお湯を キッチンのアルミ鍋に入れて、ダルマストーブに置く。
棺の前にある蝋燭は、電池なので、とりあえず 安心だ。
レンは、手際よく、もう一度ダルマストーブの火を着けた。
事務所のドアから、電話を片手に 戻ったルイは、和室の襖を タンっ、タンっ、と全部閉めていく。
「やっぱ、停電だな。ダチに、電話したら、ここらの奴等んとこも、電気つかねぇだとよ。」
それを聞いて、シオンは、
「ねぇ、暖房付かないなら、ヤバくない?荷物の洋服、全部着ようかなっ」
と、縮み上がる。
が、その言葉は、ポサッと、投げられた
式場の毛布で癒された。
「シオン。毛布も、蒲団もあるから、しっかり くるまって。」
そうレンは、ルイにも毛布を渡した。
きっちり、クリーニングされた式場の布団に、シオンは少し安堵する。
「なんだか、とんだ『寝ずの番』だよー。」
三角座りで、ダルマストーブにシオンは、にじり寄りながら、思わず ため息が出てしまった。
「俺は、一人じゃなくて、よかったよ。下手したら、今頃、ここに一人だ。」
レンとルイは、両側に シオンを 挟むように、毛布にくるまって、座った。
「『寝すの番』ってか、こんな暗闇じゃ『冬の夜話』だろ!」
「わ、やめて。今度は あたしが怖い。」
ルイを、シオンは 睨む。
「なら、なんか 話せよ。続きでも 話してりゃ、すぐ朝んなるだろ。」
そう言って ルイは、自分の毛布をしっかりかけ直した。
明かりが
ダルマストーブだけになると、
雪の夜が更けているのが、
いやでも感じれて、
シオンも 毛布をしっかり巻いた。