翌朝。 見慣れない広い部屋で翔馬が目を覚ますと、頭が痛い。 「…飲み過ぎたかな」 隣を見た。 「…綱島、じゃない」 あの夜、菜々子と寝たのであれば話も分からなくはない。 しかしどう見ても違う。 「…おはよ」 目をこすりながらむっくり起きたのは、菜々子でも光でもない女である。 「翔馬さん、おはよ」 昨日はかなり荒れてましたね──と言われて、どうやら昨夜のパーティー絡みであることは分かるのだが、あとが判然としない。