全て終わった頃、菜々子からメッセージが来た。

「たまには会いたい」

 あの日、菜々子に付き合わせてしまった負い目を感じていたのもあって、翔馬はめずらしく菜々子に会う約束をした。

 菜々子がよく行く和風の居酒屋に来ると、

「久しぶり」

 菜々子は先に来て、ウーロンハイを飲んでいた。

「…翔馬先輩、目が死んじゃってます」

 なるだけ考えるまい…と仕事を詰めるにいいだけ詰めたせいで、なるほど営業の成績は良かったのだが、見た目が凛々しかっただけに、逆に翳も深くなっているような気がした。

「そりゃあさ、恋人に二度も先立たれてみろ。嫌でも目なんか生気なくなるわ」

 でもみずから命を絶たなかったのは、綱島が悲しむと思い留まることが出来たから──というようなことを翔馬は述べた。