希の唇が翔馬を貪る動きは、激しくなってくる。
「希…」
翔馬も前は流されるところがあったが、このところは希の素直な気質に心を許していた。
「希のファンには悪いけど、俺の希だから」
真っ直ぐな目で希を見つめる。
「…私も、私は翔馬のもの」
いわゆるお姫様抱っこをすると、翔馬は希をソファへ座らせた。
「私ね…こないだから生理止まってるんだ」
翔馬は棒立ちになった。
「翔馬としか寝てないから、翔馬の子だよ」
「…そっかぁ」
翔馬は喜びと、希の未来を奪ってしまったような罪悪感が、綯い交ざったような顔をした。