恐怖のあまり光は声も出せず、このまま犯されてしまう恐ろしさを覚えたが、

「…あまり、怒らせるな」

 穏やかなままの翔馬は力を緩めた。

「翔馬…ごめん」

「光お嬢さまはきっと、命がけの恋愛ってしたことがないんだろうなって」

 光は翔馬に射竦められたように見抜かれていた。

「きっと、言っても分かってもらえないのかなって」

 寄る辺のない顔つきをされ、光は組み敷かれたまま涙ぐんでいた。

「ごめん…傷つけてばかりで」

「それはいいさ」

 翔馬は腕を解いた。