「オレはお前のことが好きだって言ってるんだよ‼」
「……‼」
勘違い……ではなかった……。
市野瀬くんから真っ直ぐに気持を伝えられた私は驚き過ぎて全身が固まってしまった。
驚き過ぎて声が出ない、私。
無言の市野瀬くん。
こうして私と市野瀬くんの間に沈黙が流れた。
そこに潮の香りを含んだ風が私と市野瀬くんのことを包み込んだ。
その時間はきっと一瞬のはずなのに、まるでスローモーションなのではないかと思うくらいゆっくりと感じる。
どうしよう、こういうときは私の方から声をかける方がいいのか、私はそのことが頭の中でぐるぐると回っていた。
「だから」
え……?
私から話しかける方がいいのか迷っていたら、市野瀬くんの方から話しかけてくれた。
「あの日、お前がオレに『友達になってほしい』と言ったとき、あのときもオレは、本当はお前と友達なんかじゃなくてオレの彼女になってほしいと思ってた。だからあの日もオレは本当のことを言おうとしたんだ」
そうだったんだ……。
でも、市野瀬くんが何かを言おうとしている雰囲気なんて……。
あっ……。