香織さんの言ったことに架純さんは笑顔でそう言ってくれたけど、私には香織さんの言葉は、とてももったいないお言葉。

　だって架純さんは、とても美人でおしとやかで品がある。

　それに比べて私は架純さんのように魅力にあふれているわけではない。

　だから。


「そんな、私にはもったいなさ過ぎるお言葉です」


　私は香織さんにそう言った。


「何言ってるのよ、杏樹ちゃん、もったいないなんてそんなことないから。杏樹ちゃんはとても魅力にあふれている女の子だよ」


　香織さんは笑顔でそう言ってくれた。


「香織さん、ありがとうございます」


　やっぱり香織さんの言葉は私にはもったいないと思ったけど、せっかく香織さんがそう言ってくれているのだから、私は香織さんにそう言葉を返した。


「わざわざお礼なんて言わなくてもいいのよ。私は本当のことを言っただけだから」


　香織さんは笑顔でそう言った。


　香織さんの言葉に、もったいないと思いながらも嬉しい気持ちになっていると、


「あっ‼」


　来未さんが突然、声を出した。