香織さんはさらに続ける。


「一緒に遊んでいたとはいっても、女子が3人で男子が1人だから、どうしても女の子が遊ぶものになってね。マンガを読むにもやっぱり少女マンガだったし。だから大翔も私たち姉三人の影響で自然に女の子が遊ぶもので遊んでいたし、マンガも私たちが読んでいる少女マンガを読むようになったの。そのときに大翔は少女マンガの面白さにハマっていったの」


 そうだったんだ。


 私がそう思っている間にも香織さんはさらに続ける。


「だから大翔は、どちらかというと男子たちが遊んでいる遊びよりも女子たちが遊んでいる遊びの方がしっくりきてたみたい」


 へぇー、あの市野瀬くんが……ちょっと意外。


 私がそう思っていたら、今度は来未さんが話し始める。


「あとね、大翔って今はこんなにも仏頂面で可愛げが無いけど、幼い頃は、もうそれは女の子みたいに可愛くてね」


 幼い頃の市野瀬くんは女の子みたいに可愛かったんだ。

 その頃の写真、見てみたいな。

 確かに今の市野瀬くんもきれいで整った顔立ち。

 学校では、いつも険しい顔をしているから、せっかくのきれいな顔立ちも半減してしまうけど。