「ほら、杏樹ちゃんも『うん』って言ってるよ。だから私たちが本当のことを話しても大翔も気にすることないって」
……‼
か……香織さん、来未さん、そんなことを言わないで‼
私も香織さんと来未さんに賛同していることになってしまう‼
だって、そんなことを言ったら……。
ほら、やっぱり‼
市野瀬くんが私のことを睨んでいる‼
香織さん、来未さん、私のことを巻き込まないで~‼
「こら‼ 大翔‼ あんたなに杏樹ちゃんのことを睨んでるのよ」
私のことを睨んでいる市野瀬くんに香織さんと来未さんのお叱りが降り注いだ。
香織さんと来未さんに𠮟られた市野瀬くんは「チッ」っと舌打ちをして、私から視線を逸らした。
市野瀬くんの態度を見て、香織さんと来未さんは話の続きを言うことを諦めた様子だった。
……と思いきや。
「それでね」
香織さんと来未さんは突然、私の耳元で話し始めた。
「あの少女マンガは……」