心を奪われたのは間違いなく俺のほうだ。酒に酔ってグロッキー状態だったところを優しくされて、もうちょっと関わりたいなと思って。さっきバーテンダーをしている姿を見て、もう後戻りできない気持ちになった。
あの店と絹さんを知らなかった頃の自分には、きっともう戻れない。
「……悪くはないか」
スマホをズボンのポケットに戻す。俺はワクワクしていた。これは無理めの恋かもしれないけど、こんなワクワクは初めてだった。
騒がしい合コンやクラブより、もっと楽しい夜があるかもしれない。
――絹さんの耳が真っ赤になっていたことを、このときの俺はまだ知らない。
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試し読みは以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました!
『ヘタレな俺はウブなアラサー美女を落としたい』はスターツ出版文庫から2020年6月刊として発売します。この後は絹視点も挟みながら2人が少しずついい感じになっていきますので、もしお好みに合いそうでしたら、どうぞよろしくお願いいたします!(.. *)
