絹さんが俺のことを考えながら作ってくれた一杯。それだけで、スクリュードライバーは俺にとって特別な酒になった。
クセのないウォッカと、甘酸っぱいオレンジジュース。自分でも作れるようになりたい。
調べてみれば、スクリュードライバーに限っては特別な道具も必要なく、材料もすぐ手に入る。〝よしよし〟と満足していると、ふと同じページの中で〝酒言葉〟という字が目に入った。
スクロールする指を止める。
(……酒言葉か)
花言葉みたいに、カクテルにもそれぞれあるものなのか。それは面白いな。
スクリュードライバーの酒言葉はなんだろう。
軽い気持ちで画面をスクロールする。
そして俺は、硬直した。
「……〝あなたに心を奪われた〟」
読み上げてから、しばらく恥ずかしくなってしまった。
まさか絹さんがそんなメッセージを込めて俺にスクリュードライバーを作ってくれたとは、もちろん、一ミリも思っていない。そんな恥ずかしい勘違いはしていない。ここまでの俺に絹さんの心を奪える要素はどこにもなかった。
