ヘタレな俺はウブなアラサー美女を落としたい



 何かと思ったら、絹さんのほうからもニギニギと握り返してきていた。
 ……これって脈大アリなのでは!?
 ってか期待以上で逆に照れるんですけど……!

 落ち着け。ここで照れたら台無しだ。

 せっかく手を握れたんだから、このボディタッチを通して絹さんに俺が男だとしっかり意識させて……。


「朝も思ったけど、馬締くんって体温高い」
「えっ」


 次の一手に移ろうと思っていたところ、しゃべり出した絹さんに気を取られた。

 彼女は相変わらず可愛く笑っている。


「基礎体温が高いのかな?」
「あ、ああ……平熱は高いほう、かも?」
「私は低いの。冷え性だから羨ましい。基礎体温高いと病気にもなりにくいよね」


 冷え性なのか、と新たに知った情報を頭の中にメモする。

 じゃあ〝俺が温めてやる〟系の口説き文句が有効か?
 ……いや、エロ方向に持っていくのはよそう。またスルーされたら勿体ない……。

 俺が迷っている間に、また絹さんが口を開く。


「そういえば」
「なに?」
「朝、私が馬締くんを吐かせようとしたときに口の中に指入れたでしょ?」
「うん……?」
「きみの口の中、めちゃくちゃ熱かったもんなぁ……」
「……はぁっ!?」


 言われたことの意味を理解した瞬間、とっさに俺から手を離してしまった。

 ……なんてこと言うんだ! 信じられない!