ヘタレな俺はウブなアラサー美女を落としたい



「まあ、だから、アルコール度数はオレンジジュースとウォッカの割合によるのよ。ただ……ウォッカは透明で、量を増やしても気付かれにくいでしょ?」
「ああ、確かに」


 混ぜれば最終的にオレンジになるから、ウォッカが多いか少ないかなんて判別 がつかないかも。でもそれが何?

 絹さんの解説は続く。


「だからスクリュー・ドライバーは、別名〝レディキラーカクテル〟とも呼ばれています」
「レディキラー?」
「見た目は女性好みの美しさで優しい口当たり。だけどアルコール度数が高く、酔いやすい。言うなれば〝お持ち帰り〟にもってこいのカクテルってこと」
「ははぁ」
「悪用しちゃダメだよ」


 言われてみると確かに。クセがなくて飲みやすいと思っていたけど、ちびちび飲んでいるうちにちょっと頭がぼんやりしてきたかも。まだ二杯目なのに。さっきより少しテンションが上がってきている。

 絹さんが、説明のためとはいえたくさんしゃべってくれていることも、俺のテンションが上がっている要因のひとつだ。

 カクテルのことになると饒舌になる絹さん、超可愛い……。

 俺はカウンターで頬杖を突き、上目遣いで冗談混じりに絹さんに仕掛ける。


「レディキラーカクテルが〝今の俺が飲むべき酒〟ってことはさ」