ヘタレな俺はウブなアラサー美女を落としたい



 目の前で絹さんが控えているのに、いつまでも口をつけないわけにもいかない。俺は手にしたグラスを口に近づけ、ゴクッとひと口飲んだ。

 ガツンと強い酒の味を想像していたが――違った。

 瑞々しいオレンジの甘酸っぱさが口の中に広がったかと思うと、ほんの少しのほろ苦さが残って、口の中で混ざり合う。

 俺は忘れないうちに感想を声に出す。


「クセがなくて飲みやすい……これなら何杯でもいけるかも!」
「そう思って飲みすぎた人がよく潰れるお酒なんだけどね」
「えぇっ……」


 ダメじゃん……。一瞬前の自分のコメントが途端にアホっぽくなってしまった。なんでこの酒を俺に出したの……。


「ウォッカは無味無臭だけど、アルコール度数自体は高いの。銘柄にもよるけど平均度数は四十度」
「四十度……!」
「スクリュー・ドライバーはオレンジジュースで割っているぶん、十三度くらいまで落ちるけど」


 十三度。それでも、コンビニで売っている缶チューハイが強くても九度くらいだから、かなり高い。俺はグラスの中のスクリュードライバーをまじまじと見た。お前、なかなかやるな。