クラブとか合コンに通っていた日々が全部無駄に思えてきた。あんなに時間とバイト代を費やして、それでいい出会いがあったかといえば……。途中からは〝なんか面倒だな〟と思いつつ、友達や先輩が行きたがるので惰性でついていくようになってしまっていた。
無駄だったんだ。求めていた出会いは、夜明けに這いつくばるアスファルトの上にあったわけで。
どうりでな!
合コン行ってもクラブ行っても恋が見つからないはずだわ!
だってあの人そういうところに行かなさそうだもん!!
「あー……ううっ……可愛いッ……」
うわ言のように呻き、ソファの上を転がる。思い出してなおダメージを負う可愛さ。
年上の女の人を好きになるのは初めてだ。……あ、いや、嘘。幼稚園の頃は担任の女の先生のことが好きだった。それはノーカンか?
とにかく今、俺の中で年上女性の魅力が猛威を振るっていた。あの包容力はなんだ? 大人なのに可愛らしいってなんなんだ? 全身から溢れる余裕と、機嫌のいい笑い方。何度思い出しても胸が苦しい。あの笑い方で永遠に転がされてたい……。
その上、胃袋まで掴まれてしまって、完全に絹さんを忘れられなくなっていた。今朝会ったばかりなのにもう会いたい。会って、もっと話がしたい。彼女のことがもっと知りたい。
