俺は道端に横たわって、薄紫色に染まった夜明けの街の景色を見つめていた。目の前にはどこから飛んできたのか桜の花びら。それから、煙草の吸い殻。薄暗い景色の中、どちらもアスファルトの上にひっそりと存在している。
綺麗な花も捨てられたゴミも同じ場所。俺はどっち寄りだ?
昼間や夜は雑踏でも、朝五時過ぎともなれば人の気配も少なく、静かで寂しい。さっきから俺が起き上がれずに這いつくばっているのは、そういう場所だった。
「ヒッ、ク……」
しゃっくりをするとアルコール混じりな吐息と一緒に、喉が〝コヒュー、コヒュー〟と危険な音をたてる。ちょうどそば を通りかかった若いリーマンに助けを求めようとしたが、体が思うように動かない。終いにはリーマンから面倒くさそうに目をそむけられ、俺はまたひとりになった。
〝コヒュー、コヒュー……〟
呼吸が更に、危険な音をたてる。俺はこのまま死ぬのか?
(まだ二十歳になったばかりなのに?)
今ここで倒れている原因は酒だ。それはぼんやりと憶えている。
綺麗な花も捨てられたゴミも同じ場所。俺はどっち寄りだ?
昼間や夜は雑踏でも、朝五時過ぎともなれば人の気配も少なく、静かで寂しい。さっきから俺が起き上がれずに這いつくばっているのは、そういう場所だった。
「ヒッ、ク……」
しゃっくりをするとアルコール混じりな吐息と一緒に、喉が〝コヒュー、コヒュー〟と危険な音をたてる。ちょうどそば を通りかかった若いリーマンに助けを求めようとしたが、体が思うように動かない。終いにはリーマンから面倒くさそうに目をそむけられ、俺はまたひとりになった。
〝コヒュー、コヒュー……〟
呼吸が更に、危険な音をたてる。俺はこのまま死ぬのか?
(まだ二十歳になったばかりなのに?)
今ここで倒れている原因は酒だ。それはぼんやりと憶えている。