デザートまでゆっくりと三人で楽しんだあと、レストランから出ただりあは、大介をロビーまで連れ出した。
「…今日はありがと」
だりあは前より、素直になったような気がした。
「こちらこそ、楽しい時間をありがとうな」
「…今度さ、二人で食事しない?」
「それはうちは別に構わんけど、だりあちゃんは…」
「私は大丈夫。でも行きたい店があるの」
一瞬、大介は身構えた。
「高いところは…さすがに勘弁やで」
「例のねぎ焼き、また食べたいな」
大介はホッとした顔で、
「それやったら斎藤社長も来ても高くならんし」
「私は…大介と二人きりで話がしたいの」
だりあが真っ直ぐな眼差しで言った。
「…いい?」
「まぁ、ねぎ焼き食うて話すくらいなら」
だりあがスケジュールを決めると、
「だりあ、そろそろ帰るよ」
悠介に呼ばれた。
「あとでLINEに入れとく」
互いに手を振って、この日はわかれた。