大介は写真をだりあに返すと、

「なるほどね…まぁでも気に入らんかったら断わる勇気も大切やと思うけどな」

「…私、お見合いなんかしたくない」

「なんで?」

「…それは、別に好きな人がいるの」

 だりあは口が滑った。

 しかし、名前は出さない。

「誰か好きな人がいるって、斎藤社長に話してみたらえぇのとちゃう?」

 でないと後から悔やむで、と大介は言った。

「私の好きな人は、今…ちょっと気持ちを受け入れてもらえる状態じゃないから」

「…それは、打つ手がないなぁ」

 大介はかなり深刻に眉間にしわを寄せた。