横浜の生麦ベースへ戻った翌日、だりあがリムジンであらわれた。
「連絡もなしに…どこにいたの!」
ツーリング中、スマートフォンの電源を切っていたので、相当だりあは心配をしていたらしい。
「一週間ほど関西に戻ってた」
間違いのないことを大介は言った。
「…もしかして、傷心旅行?」
「えらい簡単な言葉で片付けよるなぁ」
だりあは思ったままのことを言う点では、百合香と変わらないのだが、なぜか百合香にはない棘がある。
「…パパがね、私にお見合いをしろって」
「あっ…そうなんや」
大介はそれは初耳である。
「悪い人ではなさそうなんだけど…」
写真を見せてもらうと、なるほど優しそうな丸顔の男性が写っている。