ほどなく、だりあからメッセージが来た。 「警察署からうちの会社に連絡来たんだけど、百合香が事故ったらしくて」 大介はスマートフォンを手にしたまま、外へ出た。 穹窿(そら)を仰いだ。 小雨まじりの雲を、強風が裂いてゆく。 「行かなあかん」 という大介を、だりあが止めた。 「気持ちはわかるけど、…一緒に行こ」 何でも単独で動こうとするだりあには珍しい言動であったので、 「だりあちゃん、なんか大丈夫か?」 逆に大介がだりあに訊いてきたぐらいである。