そうした多忙な大介を手伝いに、美しく長い黒髪が印象深い、制服姿の女子高校生がたまにやって来る。

「京都時代の知り合いの娘なんやけどね」

 大介は百合香に引き合わせた。

「兵藤みのりです」

 女子高生は礼儀正しくお辞儀をした。

「陶芸やりたいって言うから、たまに教えてやってん」

 弟子まではいかないまでも、大介の面倒見は良い。

 ときどき百合香はみのりの宿題を見たりもするうち、妹のようにみのりを可愛がるようになった。

「私ひとりっ子だから、妹が出来たみたいで嬉しい」

 百合香はみのりと打ち解けていた。