タッセルの付け根には何やら丸い石がある。
「中の丸い石はローズクォーツって言うて、これを持つとしあわせな結婚が出来るって言われとるらしいんやけど」
「…それって?」
「だりあちゃんにえぇ相手が見つかるといいなって」
大介にはそうした、ピュアなぐらい純心なところがある。
「だりあちゃんからしたら、親友を奪われて腹も立つかも分からんけど、うちは単純にだりあちゃんにもしあわせになって欲しいって、それだけ」
その混ざり気のない気持ちをさらけ出されると、だりあは怒る気も起きない。
「ありがとね」
チャームをバッグにしまうと、少しだけ話してリムジンでだりあは帰った。