百合香と大介が付き合い始めたのをだりあが知ったのは、少し経ってからである。

「百合香とつきあうことになった」

 大介がわざわざメッセージではなく、だりあを生麦ベースに呼んで面と向かって話したからである。

「だりあちゃんはセレブやから、セレブにふさわしいえぇ王子様がおるはずや」

 そういうと、大介は何やら見慣れない細長い小箱をだりあに渡した。

「これは、だりあちゃん誕生日近いからプレゼント」

 確かに来週にはだりあの誕生日が来る。

「開けていい?」

「もちろん」

 開けると、陶器で出来た桜のチャームに、真っ赤なタッセルがついている。

「桜のは焼いたんやけどね」

 だりあのために、大介は作ってくれたらしい。