夜が明けようとしている。
「…?」
百合香の隣で眠っていたはずの大介がいない。
シーツにくるまって百合香がベッドから起きると、大介はすでに服を着て、何やらキッチンにいる。
「あ、百合香おはよ」
どうやら食事の準備をしていたらしい。
百合香はシーツを手早くパレオのように巻くと、
「…ありがと」
百合香は大介の広い背中にもたれた。
「百合香の実家って、北海道やったっけ?」
「うん」
「落ち着いたら、北海道まで挨拶行かなあかんな」
昨夜あのあと初めて関係を持って、百合香と結ばれたばかりの大介だが、
「悪いがうちは、結婚したい相手としか寝ぇへん」
早くも百合香とは、前提がある。