大介は前向きで陽気で、悪口を言わない。

 だりあの父親の斎藤悠介が代表を兼任していた社団法人のパーティーの席上、表彰の記念品を制作した陶芸家ということで挨拶を交わしたのが、だりあと大介の出逢いである。

 悠介は大介の陰湿さのない気性を気に入っており、

「饗庭さんのような部下がいたら、どれだけ良かったことか」

 などと言うことすらある。

 大介の気質は育ちの良さから来ているらしいのだが、

「金がないのは別に恥ずかしくないんやが、心が貧しいのは恥ずかしいのとちゃうか?」

 と不動産管理会社の社長令嬢でもある、だりあの耳が痛くなるようなことを平気で、だりあの前で言い放つ。

「乗り物は乗れれば足ります」

 と気にしないで言う日もあれば、

「服は着れれば充分です」

 と、まるっきり歯牙にもかけない。