撤収がすべて済んだ深夜、大介からのLINEが百合香に届いた。 「大切な話があるから、今から逢いたい」 「なんで?」 「LINEで話したくないぐらい大事な話やから」 そこまで言われたので百合香は「分かった」と返した。 程なく三十分もしないうちに、武蔵小杉の百合香のマンションの駐輪スペースに大介のカスタムカブが着いた。 「ゴメンな、夜中に」 「うぅん」 百合香は内心、逢えて嬉しかったらしい。 リビングに通されると、 「…ひゃっ」 百合香は声をあげた。