いっぽうのだりあは、最終日に来た。

 たまたま休みであったからに過ぎないが、受付を抜けてすぐの椅子に大介は座っていた。

「あ、来てくれたんや」

 ありがと、とあの笑いじわが出た。

 だりあは心臓の鼓動が大介に聞こえてしまうのではないかと思うぐらいドキドキとしていた。

「百合香ちゃんは二日目に来たみたいやね」

「…そりゃあ、振られた男になんか逢いたくないでしょ」

「別に振っとらんし」

 大介はたまらず苦笑いを浮かべた。