考え合わせてみれば、百合香だって決して可愛くない訳ではない。
大介は個展をひかえているから、終わるまでは集中したいといった気持ちも分からないでもないのだが、
(…一体、何が気に入らないって訳?)
少し腹立たしくもあり、しかし小賢しさもない。
頭で考えれば考えるほど、大介という人物がだりあは分からない。
「…どうして?」
だりあの心からの言葉がもれた。
「さすがに私には分からないけど、でも…大介さん、きっといろいろあり過ぎたんだと思う。そうでなきゃ、あんなに冷静でいられないと思うから」
確かに普通、告白されれば男は舞い上がるはずであろう。