だりあはカップのセットが入った小袋を手にすると、

「…また来ていい?」

「えぇよ」

 百合香はピンクの小鉢を手にして、

「このぐらいのジュエリーボール、欲しかったんだ」

「そのピンク、女のコに人気あるシリーズやねん」

 先だってのワークショップでもかなり売れたらしく、

「また在庫作っとかなあかんけどね」

 大介は照れ笑いを浮かべた。

 あの凛々しい大介が、笑うとクシャクシャに笑いじわを目尻に作る。

 結局、百合香もピンクの小鉢を買った。