「置いてよ、それ」

私の言葉に気怠そうに溜息を吐いた彼。

キスをする時くらい良いでしょう。とその手に握られた缶を取り上げようとしたけれど、白い指たちに込められた力が緩められることはなかった。

「貸して」
「お前ドジだからダメ」

結局私に触れようとしていた唇はプルタブへ。

影が離れていく。