「だ、ダメよ。結婚するまでは我慢してくれる約束だったじゃない…」
最高の雰囲気のところ、舌を絡ませるキスをした俊樹は我慢できずに美香のスカートの中に右手を忍ばせた。
美香はその右手をサッと払い除け、いつものセリフで「後一ヶ月したら結婚式じゃない…。
それが終わったらいくらでもできるでしょ…」
約束だから我慢してよ!」
美香との結婚式を一ヶ月後に控えた俊樹はセックスはそれまではやらないと約束さされていたのだった。
俊樹にとっては拷問ともいえる約束であったが,美香の言う通り結婚さえすればいつでもできるので我慢しているのだった。
それほど美香はいい女だった。
俊樹が今まで付き合った女の誰よりも魅力的で、美香とやれないことが余計に結婚したいと思う意識を高めさせた。
美香と出会ってまだ三ヶ月しか経っていない。
俊樹の常務昇進パーティーの時に出会ったのだが、知り合いの女性の友人が美香だった。
美香は他のどの女性より魅力的で、俊樹は生まれて初めて一目惚れというものに出会った。
女性経験はわりとある方だと自負をしていた俊樹だが、美香の前ではからっきしダメで、その時から結婚するならこの女しかいないと決めてしまったほどだ。
そしてもうアタックの連続で、ようやく付き合ってくれることになった。
しかし、付き合ってからも身体は許してはくれない。
結婚するまでは処女でいさせてくれという美香に付き合う前までは納得してはいたが、いざ付き合ってみるとその条件は俊樹にとってきつすぎる条件であった。
なんでも亡くなったお母さんの遺言らしく、俊樹は渋々納得したのであった。
ただこの約束は俊樹にとってはなによりもきついものだった。
女性と付き合う時はいつもすぐに関係を持ち、奉仕のセックスを望む俊樹であったが、この時ばかりは長い長いお預けを喰らうことになってしまった。
しかも当たり前のように、その間他の女性と体の関係があった場合は、すぐに結婚は解消で、多額の賠償金を支払う約束もさせられてしまったのだった。
当たり前といえば当たり前のことだが,セックスマシーン化していた俊樹にとっては、地獄の三ヶ月であった。