帰りは行きのJRをそのまま乗って、たまたま呉行であったので、呉まで帰ることが出来た。

 バスまで少し時間があったので、ベンチで並んで座った。

「…郷原、お前好きな人おるんか?」

 いきなりなクエスチョンに優子は驚いた。

「おらんよ」

 優子は言った。

「…実は好きな子がいてな」

「うん」

「そいつ、明るいし楽しいんやけど、たまに一人ぼっちなときがあって、そいつのことずっと見とって。ほじゃけど、そいつ受験やから、邪魔したらいけんって思うん」

 翔馬の目は強い力がこもっている。