雪穂が自宅の駐車場でダンスの自主トレを始めると、

「練習場作ってやる」

 と建設現場で余った資材を使って、父親が雪穂の登校中に、昼休みの合間を使って姿見つきの練習スペースを作ってくれた。

 雪穂は見てはじめは驚いたが、夜中までダンスの練習をしていくうち、五月の連休明けにはいっぱしに踊れるようになり、

「あんた、ホントは踊れないフリしてたんじゃないの?!」

 と優海に疑われる始末であったが、何とか出来るようにはなった。