リラ祭の一般公開日、トークライブの出番があけた唯と待ち合わせたのは部室で、
「…赤橋あやめちゃん?」
バドミントン部らしい日焼けしたあやめを唯は見つけた。
隣のみな穂は、黙ってお辞儀をした。
「友達に付き添ってもらったんです」
鮎貝みな穂です、とみな穂は挨拶をした。
「鮎貝さんって大人っぽいよね」
唯のファーストインプレッションはそれであったらしい。
誰もいなかった部室で唯から簡単な説明を受けてその日は帰ったのだが、
「なんかさ、楽しそうじゃない?」
というあやめに、
「簡単なもんじゃないと思うけどなぁ」
みな穂は冷静に言った。