打ち解けてからは、電車もだりあに合わせて乗り合わせるようになった。

 だりあのいる学生寮は発寒中央にある。

 何両目のドア何番目、とか翔子は決めて乗る癖があって、だりあはよく停止位置に立って、わざと翔子の目の前にあらわれる…という小さないたずらを仕掛ける。

「…あんた、うちがいるのよう分かるなあ」

「まぁねー」

 だりあにすれば毎日見ていればわかる話である。