もう少しで雲にさわれるかも。そのくらい高いところまで、のぼってきてしまった。つい。やはり、好奇心に勝るものはない。

「あれが、さっきの商店街?」

「ゼェ、ゼェ、……ちょっと、いきなりそんなに速く飛べるようになるの? ……はぁ、はぁ」

「あはは、どうしてだろう? 早く帰りたいはずなのに、楽しいや!」

「さみね、変わったね。ついさっきまでは、全くの無表情だったのに」

……そうかな。私は、自分が変わっていくことに気づいていない。と言うか、まるでそれを望んでいるかのように、変わっていった。

「ま、早速だけど、人間界に行ってみる?」

「うん」

正直、何をすれば良いのかよく分からないけど、信じさせれば良いんだよね。そうすることで、、、そうすることで、何が出来ると言うのだろう? そこを聞き忘れてしまった。後で聞けば良いか。

人間界に通じる、あやかしにしか通れない(・・・・・・・・・・・)、門を通って人間界に行った。
門は普通に扉ではなく、神社のお社のようになっていた。

私が昔、遊んでいた神社みたい。そんなわけ無いのだけれど。

さて、あやかしとは何が出来るんだろう。
知っているものと言えば……
あれ? 私、覚えてない?