また、私は引っ張られておもてに連れていかれた。
「おじさん! 僕ようやく見つけたよ! 仕事出来る人!」
「そうかい! で、わしのことは嬢ちゃんには見えてるのかね?」
見えているか……いや見えてない。私が見ようとしていないのかもしれない。さっき言われた通り、意識を集中させて……信じる
私の視界に、ゆっくりとうっすらとカウンターに人影らしきものが現れてきた。
「うわぁ、見えた」
噂の宿屋のおじさんにそっくりだ。髭、眉、髪の毛が白くて、ドワーフのように身長が低い。……もしや、ドワーフってあやかし?
「やあ、やっと見えるようになったようだね。君の力は素晴らしい! 自らが信じれば、現実になり、信じさせればまた、現実になる!」
「一体、何の事ですか?」
「わしは、小人族の長、無信。君は、あやかしの世界と人間界との結び目なんだ」
結び目……? 紐を結んだときの、あの結び目? 元々、理解力のない私に、この状況からすべてを読み込めなど、無理難題である。
「あぁて、君は、人間界に戻りたいそうだね」
「はい」
「じゃあ、今から言うことを成し遂げたら、返してあげよう。と言うか、あやかしの総督に相談してあげよう」
ちょっと分からないけど、やることやったら戻してくれるんだ。私は、勝手な解釈をしその仕事を引き受けた。
「まぁ、僕がついているからそんなに緊張しなくて大丈夫だよ」
「でも私は、あやかしになったんでしょう?」
「人間界ではね。あやかしの世界じゃあ、人間だよ」
私は、あのあと小人族の長、無信に不思議なおまじないと言うものをしてもらった。それをすると、あやかしになり、空も飛べるし人間界でいたずらが出来ると言う。
「信じてもらいたいなら、自分達でいけば良いんじゃないの?」
「皆、何回もやったさ。それで諦めてあそこにいるんだ」
妖狐の言うことを横目に、本当に飛べるのか、気になって飛んでみることにした。
でもどうやって、飛ぶんだろう? 魔法のように、風を利用するのかな。
「……なに、もしかして飛びたい?」
「え、まあ」
「茶峰の場合は、信じれば飛べるんじゃない?さっきおじさんも言ってたでしょ?」
信じる、信じるってさ……魔法を覚えるみたいに、イメージする訳じゃないん、だか、、ら? 『魔法は作られたもの』って、そう言うことなの? あやかしを模して作られたものだったの!?
今は、そこじゃない。信じる。イメージする……私自身に信じ込ませて、やってみる。私は、飛べる!
ふわぁ
「うわ、飛べちゃった! すごい、魔法使ってないのに!」
「言っただろ?」
「凄い! 妖狐の言う通りだよ!」
「そうだ、さみねに言ってなかったけど、僕の名前は、狐白。白い狐だからね。妖狐は、種族と言うかそういう総称のことだよ」
狐白……良い名前じゃないか。
私は、今まで、人を信じてこようとしなかった。生まれてから、一人っきりだった私はよく神社で遊んでいた。もちろん、人の名前は覚えてないし、友達もいなかった。18になった今でも、知り合いこそいるが、友達と呼べる存在は、1人いるかいないか。一人遊びのせいで、感情を押し殺してしまっていると、昔誰かに言われた。
でも、今は何か楽しいと思えている気がする。
「おじさん! 僕ようやく見つけたよ! 仕事出来る人!」
「そうかい! で、わしのことは嬢ちゃんには見えてるのかね?」
見えているか……いや見えてない。私が見ようとしていないのかもしれない。さっき言われた通り、意識を集中させて……信じる
私の視界に、ゆっくりとうっすらとカウンターに人影らしきものが現れてきた。
「うわぁ、見えた」
噂の宿屋のおじさんにそっくりだ。髭、眉、髪の毛が白くて、ドワーフのように身長が低い。……もしや、ドワーフってあやかし?
「やあ、やっと見えるようになったようだね。君の力は素晴らしい! 自らが信じれば、現実になり、信じさせればまた、現実になる!」
「一体、何の事ですか?」
「わしは、小人族の長、無信。君は、あやかしの世界と人間界との結び目なんだ」
結び目……? 紐を結んだときの、あの結び目? 元々、理解力のない私に、この状況からすべてを読み込めなど、無理難題である。
「あぁて、君は、人間界に戻りたいそうだね」
「はい」
「じゃあ、今から言うことを成し遂げたら、返してあげよう。と言うか、あやかしの総督に相談してあげよう」
ちょっと分からないけど、やることやったら戻してくれるんだ。私は、勝手な解釈をしその仕事を引き受けた。
「まぁ、僕がついているからそんなに緊張しなくて大丈夫だよ」
「でも私は、あやかしになったんでしょう?」
「人間界ではね。あやかしの世界じゃあ、人間だよ」
私は、あのあと小人族の長、無信に不思議なおまじないと言うものをしてもらった。それをすると、あやかしになり、空も飛べるし人間界でいたずらが出来ると言う。
「信じてもらいたいなら、自分達でいけば良いんじゃないの?」
「皆、何回もやったさ。それで諦めてあそこにいるんだ」
妖狐の言うことを横目に、本当に飛べるのか、気になって飛んでみることにした。
でもどうやって、飛ぶんだろう? 魔法のように、風を利用するのかな。
「……なに、もしかして飛びたい?」
「え、まあ」
「茶峰の場合は、信じれば飛べるんじゃない?さっきおじさんも言ってたでしょ?」
信じる、信じるってさ……魔法を覚えるみたいに、イメージする訳じゃないん、だか、、ら? 『魔法は作られたもの』って、そう言うことなの? あやかしを模して作られたものだったの!?
今は、そこじゃない。信じる。イメージする……私自身に信じ込ませて、やってみる。私は、飛べる!
ふわぁ
「うわ、飛べちゃった! すごい、魔法使ってないのに!」
「言っただろ?」
「凄い! 妖狐の言う通りだよ!」
「そうだ、さみねに言ってなかったけど、僕の名前は、狐白。白い狐だからね。妖狐は、種族と言うかそういう総称のことだよ」
狐白……良い名前じゃないか。
私は、今まで、人を信じてこようとしなかった。生まれてから、一人っきりだった私はよく神社で遊んでいた。もちろん、人の名前は覚えてないし、友達もいなかった。18になった今でも、知り合いこそいるが、友達と呼べる存在は、1人いるかいないか。一人遊びのせいで、感情を押し殺してしまっていると、昔誰かに言われた。
でも、今は何か楽しいと思えている気がする。