本番前のリハーサルが終わって、大晦日の昼の生放送に、中継で急遽ながら出演することが決まった。
「出る予定の方がちょっと遅れてまして…」
どうやらピンチヒッターらしい。
「札幌からの生中継です!」
アナウンサーの紹介でカメラが切り替わる。
「二年連続三回目、ライラック女学院アイドル部のみなさんでーす!」
「皆さんこんにちは、北海道が生んだスクールアイドル、ライラック女学院アイドル部でーす!」
英美里を始めとするメンバーが映る。
「今回は、体調不良だった花島るなちゃんの復帰ステージとなります」
英美里に促され、るながマイクを持たされた。
「おかげさまで回復しました。今回の紅白では精一杯のパフォーマンスをさせてもらいたいと思っています!」
次にマイクを渡されたのはゴスロリ姿の優子で、
「副部長の郷原優子です。今回はシックな衣装と、メドレーなんで結構サプライズなトコあるんじゃけど、えっと頑張るけぇ皆さん見てつかぁさい」
緊張のあまり広島弁で喋った。
「郷原ちゃん、広島弁なの?」
「はい、バリバリの広島弁です」
「優ちゃん、越境入学組なんですよー」
ギャルのるなとロリータ風の優子が並ぶと、画面が濃い。
どういう訳かこれ以降はスタジオとのやり取りはなぜか優子をメインで進められ、
「メンバーはみんな何となく分かるみたいなんですけど、たまに分からんスタッフさんがおって、ほじゃけ東京弁できるだけ使うようにしてます」
優子のキャラが炸裂した生放送となった。