少し間があって、スマートフォンが鳴ったので出た。

「もしもし、るな?」

 まぎれもなく英美里の声である。

「はい…」

 テレビからタイムラグがあって自分の声が流れてきた。

「るな、私たちみんな復帰を待ってるからね!」

「みんな、ありがとう…」

 二言三言ばかり話して、電話を切った。

 放送中は泣かなかったが、テレビから『アイドル部のクリスマスソング』のイントロが流れてくると、こらえきれなかった。